何故そんな風に感じるのか

自分の場合ひとつ心当たりがある。
確か5歳くらいの真夏のことだった。記憶はさすがに曖昧だが。


オヤジが海に連れて行ってくれた。オヤジとふたりだけだった。
海に着くとオヤジの友達らしい人たちがいた。
…なんか気がつくとオヤジも含めその人たちが前に並んでて、瓶のクチを親指で押さえている。
で次の刹那一斉にその瓶からはビールが吹き出し、おれはビールまみれにされた。その瓶にはあの麒麟が描かれていた。


当然わけもわからず泣いた記憶があるが、しかしその味はしっかりおれの舌に刻まれたらしい。
今になって、どうしてもビールにあの味を求めてしまうのだ。
ラガーが生になったときは凄まじい寂しさを感じてしまったが、クラシックラガーとして蘇ってくれてほんとによかった。


ちなみに何度かオヤジにこのときの話をしたことはあるが、憶えていないそうだ。とぼけやがって(笑。
明らかに煽動してやがったのもおれはしっかり憶えてるぞ!まったくろくでもねぇオヤジだ。