おれもこの説信じてたorz

「ところで、あの赤くてでかい奴は何故ゆえにアメリカザリガニというんだ?」「アメリカが原産国だからじゃん?」「じゃ、なんで日本にいるんだべ?」


私は得意満面で阿呆面した友人たちに言ってやった。


「そりゃ、おめぇ、戦時中にだな、アメリカ軍が水田の稲を根こそぎそいつに食わせて、日本を食糧難に陥れようとしてヘリコプターから撒いたんだってよ。」


「ねぇねぇ、本気で言ってるんじゃないでしょ?」


「あん?本気本気、そりゃぁ凄い地獄絵だったらしいぞ。空から、あの真っ赤なザリガニが降ってくる図は、な!死んだひいばあちゃんがいってたもん。東の空から真っ赤に染まっていってな、見るも無残な光景だったらしいぞ。」


「じゃ、あのアパッチみたいなヘリコプターがやってきて和田の上空からザリガニ撒いたんだ?で、食糧難にはなったの?」


「そこまではしらねぇ、それなりの効果はあったと思う。」


「おまえね、ザリガニは確かに田んぼにいるけど、稲なんて食うか?あのザリガニはね、人間のタンパク源として輸入されたの!ヘリコプターで撒いたりするはずねぇべ?40過ぎまでそんなこと信じてた?空からザリガニが降ってきたと信じてた?チャック ノリスみたいなUSエアーフォースの大佐が「今だ、ばら撒け!」で、ダーッとザリガニが空から降ってくると思ってた?サリンとかそんなのより夢があって良いけど、おまえねぇ、戦争してんだよ?格好いいフライトジャケット着たアメリカ人が、ザリガニ撒いてたら、だいたい格好つかないべ?」


「だってよ、死んだばあちゃんが・・・・」


みんなは私のアメリカザリガニに対する考察を腹を抱えて笑い転げ、涙を流して大笑いして、終いには呆れかえって寝てしまうのだった。


 さて、そのアメリカザリガニだが、ヘリコプターから散布された説は間違い。人間の食料説、これも正しくは無い!大正の時代、食用ガエルを日本に持ち込み、それを有効なタンパク源にしようとした人がいた。神奈川の大船辺りの人。で、その食用ガエルの好物がアメリカザリガニだったので、わざわざ輸入して沼地で飼っていた。それが知らぬ間に増えていってアメリカザリガニが繁殖しだした。それが正しい説である、と有識者に聞いた。

おれはこの説、小学生くらいのときにNHK見てて聞いたように記憶してたんだが、この説自体間違いだというなら捏造記憶なのかもな。
そりゃさすがにザリガニは稲を食ったりはしないが、草の根元に潜り込んで暮らしてるのでその時に根を傷めちゃうのが狙いだったのかな、と。これはまず間違いなく脳内補完。
そうか食用ガエルの餌として輸入されたのか。


そもそもこんなことを思い出したのは「http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060205-00000004-mai-soci」という記事を見たからだったのだが、結局人間が文字通りグローバルレベルの移動能力を持ってからというもの、「生態系が乱れる」のは避けられんのかもな。どうせ既に止められっこないし、「元の形」なんてものがあったかどうかも怪しい。
「正しい日本語」と同じく、かつての自分の知っていたかたちだけを都合よく留め置こうなんて考えること自体間違ってるのかも。