「面接」とひと口に言ってもそりゃあいろいろあるわけで

おれが面接官としてやってる面接は

  • 被面接者はひとりずつ。30分前後。
  • 新卒採用の面接官は勤続5年以上程度の社員から各部門一名ずつ3名
    • これが一次試験でその後適性検査やらディスカッションやら役員面接やらがある
  • 中途採用の面接官は採用したい部署の責任者と役員数名の計3〜5名
    • 他には適性検査程度
  • 質問項目のガイドラインを参考に、ある程度役割を決めて進める
  • 返答内容そのものは基本的にあくまで参考程度で、むしろ質問に対するリアクションを見る

まあこんな感じ。
あまりにも緊張し過ぎていたり、逆に落ち着き払っててかわいげがないとき(笑)は突発的にヘンな質問をしてみてるかな。

大会社とか一流企業ってのがどうなんだかは知らんが

少なくともうちの会社の場合、新卒にしろ中途にしろ採用をする以上、入ってきた人材をどう使うかある程度の思惑は普通あるわけで、当然多かれ少なかれそれを意識した面接をすることにはなる。
例えば人事担当から「今期は営業に○名程度を考えてますんで」とか事前に言われるわけだ。そしたら「営業だったらまあ、勉強ができるタイプの“アタマがいいヤツ”じゃなくて“機転が利いて嫌味でないヤツ”がええんやろな」くらいには考えるわな。後者のようなのを「コミュニケーション能力」が高いヤツと言うんだとしたら、そういうヤツの方がそりゃ通過できる可能性は高い。内勤だったら引きこもりでろくに会話ができんみたいなヤツだって通過することはあるかも知れんがな(笑。

いずれにしろ、会社側は募集要項なり求人票なり会社説明会なりで基本的な内容はすべて提示しているわけで

その上で面接に望む受験者ってのはそれを踏まえて、自分が入社すれば会社にどんなメリットがあるか、をアピールするのが面接というものなはず。つまり面接ってのは基本的には受験者のターンなわけだ。だから、そりゃ面接官もある程度は相手のアピールすべき個性を引き出す努力はするけど、それが引き出せないのを面接官のせいにしちゃったらダメだよな。
筆記試験で、例えば体調悪くて実力を出し切れなかったとしたら「仕方ない」って諦めるしかないはずで、それは面接官という人間が相手の試験でも同じことだからね。
ていうか面接官としてはむしろ、自分を無理矢理でもアピールしようとヤツの話から、それが会社にとってありがたいものなのか、あるいは他にいい部分がないのか、といったことを注意して面接してます。少なくともおれはそうです。「コミュニケーション能力」が必要な人材を求めているなら「コミュニケーション能力」があるかどうかを見ます。そうでなければ「あればある方がいいけど、最低限でもまあよし」くらいなつもりで見ます。
何が何でも「コミュニケーション能力」みたいな考え方って、それこそ「リクルート企業の捏造」かなんかに踊らされてるんじゃねえの?
採用を行う企業が単に「コミュニケーション能力」の不足だけを理由に志望者を落とすってのは正直考えにくい。当落線上の2人のどちらか一方をってときくらいじゃないの?それ持ち出すことがあるとすれば。そしてそれは他の要素で十分カバーできるはずです。
その会社あるいは業界でどうしても働きたいという意思を感じさせる言動とかでね。実際そうだったもん(笑。

とにかくポジティブに行こうや

上でも書いたように、面接ってのは基本的には受験者のターンのはずだ。剣でも魔法でもアイテムでも使ってどんどん攻めりゃいいんだよ。敵と出会ったら攻撃しなきゃ、当然自分がやられるんだよ。
そもそも、大方のRPGと違って敵は自分で選べるんだよ。
「学校出ちゃうから嫌でもどっか就職しなきゃ。ここなら何とかなるかな」みたいに受身な理由で志望してるんなら話は別だけど、自分の意思で志望した会社なら、何故志望したか、自分がどんなことをやりたいか、自分がどんなことができるか、くらいは自分から話せるでしょ、面接官が糞でも。話したくなるでしょ。
それすらできない人は・・・確かに不足してるのかもね。「コミュニケーション能力」が。