小学3年生のとき、担任が「一番残酷な刑って何やと思う?」と尋ねたことがあった

みんな即座に「死刑」と答えた。ちょうど「がきデカ」のそれが流行ってた頃だったしな(笑。まあそれはともかく、「死んじゃうんだもの、それ以上の刑罰ってあるか?」くらいな感じだ。
これに対する担任の答えはこうだった。
「もちろん人によって“残酷”の感じ方は色々だろうと思いますが、先生は一番残酷な刑罰というのは“無期懲役”だと思います。」
30年前の田舎の小学3年生はもちろん(?)“無期懲役”なんて言葉すら知らない。「無期懲役というのは一生死ぬまで牢屋に入れられる刑罰のことです」と先生は言った。「想像してみて。死ぬまでずっと牢屋で過ごすんよ?他にどこにも行けんのよ。好きなことも何にもできんの。それならもっと早く、殺された方が、まだずっとマシやと思わん?」
何故このとき先生がこんな話をしたのか、いまだによくわからない。国語を専攻していたそうだから、文学的な影響でそういうことを常々考えていたのかも知れない*1。当時多分40代だったが、かつて結核を患ったという理由から「行かず後家」となった人だったので、そういう経緯からその頃何かちょうどきっかけとなる出来事でもあったのかも知れない。もしかすると死刑反対論者だったのかも知れん。
まあとにかくきっちり30年も経つというのに、何かの折りにちょくちょく思い出すんだよなこの一件。今回は「http://www.asahi.com/national/update/0925/TKY200709250116.html」という記事を見て思い出したわけだ。
しかしどうなんだろね、自動的に死刑執行される死刑囚と、法相に死刑を棚上げされた死刑囚と、無期懲役囚、一番辛いのはどの囚人なんだろう。どういう制度が残虐でなくてかつ罪の大きさに対して妥当なんだろう。

*1:そういえばこの先生の話でもうひとつよく憶えてるのは『ソイレント・グリーン』という映画を観たという話で、“原作の小説の方がずっと怖くて面白かった。映像よりも想像力の方が上だからね”とのことだった。 ⇒ google:ソイレントグリーン