広瀬正

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鏡の国のアリス (集英社文庫 141-D)

鏡の国のアリス (集英社文庫 141-D)

【小説に限定】「パラレルワールドもの」の名作を教えてください。ジャンルは問いませんが、なぜ名作かということを力説していただけませんか?質問者は、荒唐無稽なようであっても、作者の作りあげた世界に存在感があれば、名作であると思っています。それでは、よろしく御願いします。

一昨日の夜寝る前にこの質問を見つけてしまい、そりゃとりあえず「エロスしかないやろ」と即回答しておいた。
もうお一方やはり同作を回答としてあげてらして、さらにそれ見て広瀬正作品を読んでみようと思った方もいらっしゃるようで、うれしくなった。
何しろ6冊しかないんだから、単行本。そりゃ全部読んどけてなもんでしょう。JazzでいえばClifford Brownだな。広瀬はCharlie Parkerファンだったようで、タイムマシン手に入れた男がParkerのライブ見に行こうとする、なんて話もあるが*1。Jazz好きとしてこの姿勢は正しすぎると思う(笑)。
そういえば『鏡の国のアリス (集英社文庫 141-D)』もパラレルワールドものといえるかもな。サックス吹きの男が銭湯でぼーっとしてて気がつくと、左右が反対の鏡写しな世界に来てた(←なんじゃそりゃ!)というお話し。ただこの話の場合はそう見せかけて実は『ツィス』の方の系列なのかも知れないんだけどな(謎)。
マイナス・ゼロ (集英社文庫 141-A)』のあとがきだったか、戦後すぐの頃米兵に殴られたかなんかのショックでほんの少しの間だけど数年分の記憶が飛んでしまい、結果的に「戦時中の意識のまま戦後の光景を見る」という体験をした、とかなんとかいう話があったと思うのだが、広瀬正作品のすべての原点はそこにあるような気がする。

*1:『タイム・セッション』だったかな。短編集『タイムマシンのつくり方 (集英社文庫 ひ 2-6)』収録。