風雲児

トップに書いておきながらやってないことはなかったかな〜と思ったら、マンガがまだだったのでひとつ、自分はたまらなく好きなんだけどいまいちマイナーで、でも絶対面白いと思うから読んで欲しい!ってのを。

…と来たらおれ的には何よりもまず、みなもと太郎『風雲児たち』なのです。

幕末の風雲児たちを描くこのマンガ、しかし何とその物語は関ヶ原の合戦から始まる(笑。
倒幕側で活躍する風雲児たちを多く輩出した薩摩・長州・土佐の三藩が関ヶ原及びそれ以降にどのような仕打ちを受けてきたか、それは決して無関係ではない、てのがその目的のようですが、にしてもそれを真っ向からやらかしてしまう意気込みっていうか熱意には正直圧倒されます。
その後も倒幕・佐幕両藩の興りを描いてようやく幕末か…、と思えば解体新書の面々へ。
個人的には早く村田蔵六に活躍して欲しいのはヤマヤマなのですが、しかしそれでもあえて急ぐ必要を感じさせないのは、そこに描かれる歴史上の人物たちが、あまりにも活き活きとしているからに他ありません。
ターヘル・アナトミア』を翻訳する前野良沢杉田玄白中川淳庵の苦しみや喜びが伝わって来ますよほんとに。
大黒屋光太夫の話なんか、某映画見るより絶対こっち読め!

ちなみにこれ、ギャグマンガです。
大河歴史マンガでしかもギャグ。連載開始は1979年。どんなマンガやねん!(笑

掲載誌は潮出版の『少年ワールド』『コミックトム』を経て、リイド社の『コミック乱』で『風雲児たち幕末編』として今も連載中。
連載では、ようやくペリーがやってきました。いよいよ幕末も本番です。
歴史上の時間では大政奉還まであと15年てとこですが、さてこの作品の完結まではあとどのくらいかかるのでしょうか。
単行本は潮出版から全30巻が出ておりましたが入手困難です。リイド社から新版が10巻まで刊行中。恐らく全20巻程度となるでしょう。『幕末編』も2巻まで出ています。

つーことで読め!っつうか読んでみてください。
ただし1巻から読む場合、そこはどーしても20年以上前のギャグマンガですから、ちょっとツラいとこもあるかも。せめて単行本1冊読み切るまでは我慢すること(汗。
個人的に一冊だけおすすめするなら、大塩の乱がコンパクトにまとまってる旧版の20巻。幼少の吉田松陰のスパルタ教育もインパクトあるし。「抱いたのは伯父やがぶちまーしたんは先生ぞー!」正直おれはツボにハマりました。
とはいえ何巻でもいいから見つけたらとりあえず読んでみて欲しい。
学生さんなら全巻読めば江戸時代の歴史にはかなーり強くなれるというオマケ付き。
2ちゃんねる風雲児たちスレにも、感謝の声が多数寄せられています(笑。

さて“日本Opera界の長老 兼 風雲児”とは、MoonStoneさんによるおれの紹介文なのですが、これを見たときは小躍りしちゃいましたよ。
「そうか。おれも風雲児であったか。」とか。バカだねぇ(笑。

でもそう思うと何となく、旧OJUGの活動が“解体新書”の翻訳作業とダブってきたりしてね(泣。

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